別れた恋人と久しぶりに一緒に帰った。 

僕は前々から彼女に男女の友情は成立しないと束縛してきた。そしてそれが積み重なり別れた。

彼女は前回の飲み会で男女の友情が成立しないことが分かったらしい。「ほんまにきもかった、しねしね!ほんとに真面目になる」 かなり複雑。僕は苛立ちやもやもや、虚しさでいっぱいだ。遅いねん!しかも、そう言いながらもsexもしくは前戯程度のことはしてんねやろ!!男の家泊まってたんやろ!言ってやりたかったが、言っても何も意味がない。いらいら、悲しさ、もどかしさで泣きたくなった。お互いに僕達はやり直せないことを知っている。

いつぶりだろう。手を繋いだ。もうすぐ兵庫に帰るらしい。  関わりたくなかったのに、話すと未練が戻ってきた。いや、未練なのか分からない。戻れないことも、戻しても続かないことも知っているからこそもどかしい。いつもは改札を出て一度も振り返らない彼女が今日は振り返って笑顔で手を振ってきた。「お互いに合格して夢叶えようね。東京でまた会おう。」ほんとに別れって感じ。外は寒い。寒いってだけでエモいのにせこいやろ。宇多田ヒカルの「忘却」を聞いた。 

こんなことで機嫌が治るなんて俺は本当に単純。賢い彼女。全てわかってしてきて、ちょろいなと思われてるかもしれない。いや、やめた、そうだろうけどそんなふうに考えてもいいことは何も無い。神さま信じよ。ひねくれた考えは捨てよ。次第に周りもいい人だらけになるやろ。大学入ったら絶対ホストになってお金稼いで、不動産か株をして、考えが変わらなければボートレース学校を受け直す。哲学と宗教もちゃんと学ぼ。左頬をたたかれたら右もさしだすやっけ?キリスト教最高にロックやんけ。とりあえず、形から、黒人がよくしてる胸の前で十字きるやつやっといた。 冬。